気管支喘息とは?
気管支喘息は、空気の通り道である「気道」が炎症によって狭くなり、「ヒューヒュー」「ゼーゼー」といった呼吸音や苦しさをともなう喘息発作を繰り返す病気です。

なぜ毎日の治療が必要なの? ―リモデリングを防ぐために―
喘息発作は、一時的に苦しくなっても回復することが多く、「その場だけの症状」と思われがちです。しかし、喘息の本当の怖さは、気道の中で慢性的に起こっている炎症です。炎症が続くと、気道はだんだんと硬く、元に戻らなくなっていきます。これを「リモデリング」といいます。リモデリングが進行すると、喘息が重症化してしまいます。
喘息発作がないからといって、治療を中断しないことが重要です。毎日しっかり治療を続けてリモデリングを進行させないことが、将来の健康につながります。
「One airway, one disease」~アレルギー性鼻炎と気管支喘息の関係~
気管支喘息のある方は、アレルギー性鼻炎を合併していることが多くあります。鼻と気管支は「ひとつの空気の通り道」であり、互いに深く影響し合っています。
- 鼻の調子がよくなると、喘息もよくなる
- 鼻の治療を放置すると、喘息が悪化することも
このように、鼻と気道は一体の病気(One airway, one disease)と考えられています。アレルギー性鼻炎の治療は、喘息を悪化させないためにも非常に重要です。
呼吸機能の検査について
気管支喘息では、呼吸機能の検査がとても重要です。小児気管支喘息治療・管理ガイドラインでも、診察のたびに呼吸機能検査を行うことが推奨されています。
ただし、小さなお子さんでは検査が難しい場合も多く、正確な診断がつけにくいこともあります。そのようなときは、まず血液検査でアレルギー体質の有無を確認したり、喘息の治療を試してみて反応をみることもあります。そして、お子さんの成長に応じて、呼吸機能検査を適切な時期に行っていきます。
- 肺機能検査(スパイロメトリー)
大きく吸った息を一気に吐き出すことで、気道の狭さを評価します。 - 呼気一酸化窒素検査(FeNO)
吐く息に含まれる一酸化窒素の量を測り、気道の炎症の程度をみる検査です。
治療について
<吸入薬>
- 気道の炎症を強力に抑える“基本の薬”です。
- 吸入ステロイドのステロイド量はごく少なく、内服薬に比べ安全性が高いとされています。
吸入薬は、正しい方法で使わなければ十分な効果が得られません。正しく吸入できている方は全体の約40%にとどまるという報告もあります。
そこで当院では、お子さまがより確実に効果を得られるように、ひとりひとりに合った吸入デバイスの選定や貸し出しを行っています。また、薬局とも連携しながら、吸入方法について丁寧にご指導しています。ご不安なことがあれば、いつでもご相談ください。
<ロイコトリエン拮抗薬>
- 飲み薬で使いやすく、軽症の方に向いています。
- ただし炎症を抑える力は弱いため、発作を起こしたことがある方には吸入ステロイドの使用を推奨します。
※これで治療が不十分な場合は、注射薬を含めた治療を相談できます。
<体力づくり>
- 規則正しい生活、栄養バランスのよい食事、十分な睡眠が大切です
- 無理のない運動もおすすめです。特に水泳は喘息に良い影響があるとされています
<環境整備>
喘息を悪化させる要因には次のようなものがあります:
- たばこ・煙・PM2.5・花粉・ペット など
- 特に重要なのはダニ対策です。具体的な方法は当院でご説明いたします
気管支喘息治療のゴール
- 発作が起きない日常を保つ
- 将来、大人になってから喘息が悪化するのを防ぐ
気管支喘息は、「発作のときだけに治療すればよい病気」ではありません。発作がないときにも気道の炎症は続いており、毎日治療することが大切です。お子さまの健やかな未来のために、呼吸機能検査を活用した、正確な診断と効果的な治療を行いましょう。


