アレルギー性鼻炎とは
アレルギー性鼻炎は、アレルゲン(アレルギーの原因物質)によって、くしゃみ・鼻水・鼻づまりなどの症状があらわれる病気です。
多くの場合、「アトピー素因(そいん)」が関係しています。これは、本人や家族にアレルギー疾患がある、血液検査で好酸球やIgE抗体が高い、などの特徴をさします。

通年性と季節性
近年、アレルギー性鼻炎を抱えるお子さまは急増しており、決して珍しい病気ではありません。
通年性アレルギー性鼻炎
1年を通して症状が現れます。主な原因はダニです。
5~9歳のお子さまの約20%、10~19歳では約40%が通年性アレルギー性鼻炎だと報告されています。
季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)
特定の季節にのみ症状が出るタイプで、スギ・ヒノキ・イネ・ブタクサなどの花粉が主な原因です。
5~9歳のお子さまの約30%、10~19歳では約50%がスギ花粉症だと報告されています。
「One airway, one disease」~アレルギー性鼻炎と気管支喘息の関係~
アレルギー性鼻炎のある方は、気管支喘息を合併していることが多くあります。鼻と気管支は「ひとつの空気の通り道」であり、互いに深く影響し合っています。
- 鼻の調子がよくなると、喘息もよくなる
- 鼻の治療を放置すると、喘息が悪化することも
このように、鼻と気道は一体の病気(One airway, one disease)と考えられています。アレルギー性鼻炎の治療は、喘息を悪化させないためにも非常に重要です。
診断について
症状が典型的であれば、検査を行わずに診断し、治療を始めることもできます。
ただし、以下の場合はアレルギー検査(血液検査)を行います:
- 診断に迷うとき
- 治療効果が不十分なとき
- 舌下免疫療法を検討するとき
症状を抑える治療(対症療法)
以下のような治療を組み合わせて、症状を軽くします。
- 鼻噴霧ステロイド
鼻の中に直接スプレーするタイプのお薬です。炎症をしっかり抑えることができ、副作用も少ない安全な治療です。正しい使い方をしないと効果が出にくいため、当院で丁寧にご指導いたします。 - 抗ヒスタミン薬
くしゃみや鼻水が強いタイプの方に有効です。 - ロイコトリエン拮抗薬
鼻づまりがつらいタイプの方に適しています。 - アレルゲンの除去
ダニや花粉など、原因となるアレルゲンの対策も大切です。特にダニ対策にはポイントがあり、当院で詳しくアドバイスいたします。
これらの治療で効果が不十分な場合は、手術や注射治療を行っている総合病院をご紹介します。
アレルギー性鼻炎を「治す」治療:舌下免疫療法
アレルギー性鼻炎の治療には、症状を和らげる薬だけでなく、体質そのものを改善することを目指す治療法があります。それが、「舌下免疫療法(SLIT)」です。
舌下免疫療法の特徴
- 対象は、スギまたはダニによるアレルギー性鼻炎のある5歳以上の方です
- 軽症の方でも重症の方でも、治療のチャンスがあります
- 副作用は比較的軽く、ほとんどの方が継続して治療を行うことができます
- 長期間の治療で、高い確率で症状の改善が見られています
- 将来、別のアレルギー疾患(気管支喘息や他の花粉症など)を発症するのを防ぐ可能性も期待されています
当院では、舌下免疫療法を積極的におすすめしています。「薬を減らしたい」「今より少しでも楽に過ごせるようにしたい」そんな方は、ぜひご相談ください。
アレルギー性鼻炎治療のゴール
- 鼻の症状が軽くなり、ぐっすり眠れる・集中できる
- 舌下免疫療法により、薬が減らせる・不要になる
- 喘息を悪化させないことにつながる
「鼻アレルギー診療ガイドライン」によると、日本人の約2人に1人(49.1%)がアレルギー性鼻炎だと報告されています。そして自然に治ることは少ないとされています。近年は、子どものアレルギー性鼻炎も急激に増加しています。お困りの際は、ぜひ一度ご相談ください。


