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アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎とは

かゆみのある湿疹が、慢性的に良くなったり悪くなったりするのを繰り返す病気です。多くの場合、アトピー素因(本人や家族に何らかのアレルギー疾患がある、血液検査で好酸球やIgE抗体が上昇しているなど)があります。

アトピー性皮膚炎の悪循環と、他のアレルギー疾患への影響について

湿疹は“バリア機能”(体のなかを保護する機能)がダメになっており、アレルゲンなどの刺激が入りやすくなっています。これが免疫細胞と反応して皮膚炎を引き起こす、搔いてしまうと更にバリア機能がダメになるという悪循環に陥ってしまいます。
また、アレルゲンが湿疹から入ってくると、そのアレルギーは悪くなってしまいます。例えばダニの成分が湿疹から入ってくるとダニのアレルギーが悪くなるし、卵の成分が湿疹から入ってくると卵のアレルギーが悪くなります。このことからアトピー性皮膚炎が悪くなると、気管支喘息食物アレルギーなど他のアレルギー疾患も悪くなると考えられています。

血液検査について

アトピー性皮膚炎の重症度を評価するうえで、TARCやSCCA2が参考になります。特異的IgE抗体で、ダニ、カビ、スギ、ペット、黄色ブドウ球菌など、アトピー性皮膚炎を悪くする要因を検討します。

治療の3本柱について

  1. 薬物療法
    様々なお薬がありますが、ステロイドの塗り薬が治療の基本となるお薬です。これは塗り方や塗る量によって、効果に大きな差が出ます。みなさまが正しく塗れるように、当院でしっかり指導いたします。
    まずステロイドの塗り薬を1日2回塗る『寛解導入療法』を約2週間行います。これでほとんどの人のかゆみや湿疹は消え、すべすべのお肌になります。これを維持する(ぶり返すのを予防する)ために、計画的に塗り薬を減らす『プロアクティブ療法』を約1-2年行います。
    この方法で満足な治療ができなければ、アレルギー診療が得意な総合病院に紹介します。新しい飲み薬や注射薬なども含めた治療も考えてもらいます。

  2. スキンケア
    泡の石鹸で洗う、しっかり流す、保湿剤を塗る。皮膚の清潔を保ち、うるおいのある状態を保つことは、とても大事なことです。

  3. 環境整備
    アトピー性皮膚炎を悪くする要因を可能な限り取り除きます。例えばダニ、ペット、汗など、どう対策すればよいか当院で説明いたします。なお食べ物の特異的IgEが陽性だからといって、安易に除去とするのは不適切です。食べ物への対応方法も、当院でしっかり説明いたします。

アトピー性皮膚炎のゴール

  1. 症状がない、または症状があっても軽微
  2. 日常生活に支障がない
  3. 薬物療法もあまり必要ない

アトピー性皮膚炎の治療を諦めている方でも、「これをしてはダメ」など自分自身の行動を制限してしまっている方でも、私たちは『適切な治療でアトピー性皮膚炎をよくすることが必ずできる』とお約束します。ですが治療期間は長く、治療の3本柱を継続する根気も必要です。私たちと二人三脚で、治療目標を共有して、一緒にゴールを達成していきましょう。